勇気とは攻撃すること?

日本代表の諸君、ありがとうございました
残念でした。悔しかった、ただひたすら悔しかった。
でも、今回の残念さは、過去3回のワールドカップの敗退とはちょっと違います。
1998年は、「まあこんなもんなんだろう」とともに「もうちょっと何かできたのではないか」。
2002年は、「よくやった」けど……「なんかやり残してないか、もう少し何かやれたんじゃないか」。たしかに、トルシエ監督は、トーナメントは「ご褒美」だと言ったけどね。言ってみれば、ウンチを出し切ってないような不足感。
2006年は、これはもう脱力感の一言。世間は妙に楽天的でしたが、私には「漠然とした不安」がありました。つまり、どの相手もそんなにカンタンではないのに、なぜか「2勝1分け」か「2勝1敗」と……で、「2勝はどこから?」が私の不安の元だったのです。ブラジル?……まさか、クロアチア?……おいおい元ユーゴスラビアだぜ、オーストラリア?……10回やって良くて6勝4敗の相手だぞ。というわけで2敗1分け、最大限楽天的に言っても2分け1敗。
そりゃね、私たちの代表ですから、精一杯応援しましたよ。で、結果が出たうえで「罵詈雑言」「罵声」をあげました。
ただし、「ああすりゃよかったんだ」とか「なんでこうすれば」ではありません。ただひたすら、「お前ら本気でやったのか」「だらしねぇぞ」です。
敗因分析は、また別にしなきゃなりませんからね。技術面、精神面、戦術・戦略面等々。
そういったものをひっくるめて、今回は、我らが代表は「やりきってくれた」。ですから「結果は悔しいが、少なくとも現段階で出せるものは出した」と、納得ができたのです。
しかも、高地対策やコンディショニングも、ほぼパーフェクト。コンディションが落ちた選手には早めの対策をし、戻らない選手や万全ではない選手はスタメンからはずすということが、きちんとできていました。ベスト16のなかで、スタメンの顔ぶれが故障や体調不良で変わったということがなかったのは日本だけ。それだけでも、現有勢力を生かし切ったと言えます。
本当に、選手だけでなく、監督を含むコーチングスタッフ、メディカルサポートチーム、そして裏方の皆さんまで、代表チームのすべてに、ありがとうございましたと感謝します。

ケチをつけたい人はどこにでもいるが……
今朝の朝日新聞に、コラムが載っていました。書いたのは、サッカーにも造詣が深いというノワールノベルの作家。
どうも、彼は日本代表の戦い方に不満があったようです。「勝ちたい」ではなく「負けたくない」だった。「勇気がない」「攻めに出ない」から、日本のサッカーの未来にとっては意味がない云々。
その裏面には、オシム氏のコラムがあります。よく読むと、なんか似ています。たしかオシム氏はスカパーの解説もしていて、たぶん朝日新聞に載ったのと同様のことを、すでに試合後、時をおかずに話していたのだと思います(私はスカパーに加入していないので推測です)。
いや、作家某がそれを見ていて、受け売りをしたんじゃないの、と言ってるんじゃありませんよ(そうじゃないかという推測はしますがね)。ただ、あまりにも似ているので……。
さて、「攻めることばかりが勇気ではない」という主張は、このブログで以前に書きました。
現有のメンバーで、現実として世界で闘うには、こういうやり方がベストまたはベターなのだとすれば、それが「日本のサッカー」となるのは当然なのです。それは、最終的に選んだ選手だけでなく、「えっ、なんで○○が入らないんだ」とか「××より△△だろ」の○○や△△選手が入っていたとしても、です。
なぜなら、今大会の代表メンバーも○○や△△も、ロッベンやカカーやメッシやC・ロナウドではないからです。ドイツは、バラックが出られなくてもエジルがいました。でも、ファーディナンドがいなくなったイングランドは、代わりがいないにもかかわらず戦い方の微調整をせず、(不運もありましたが)ドイツに負けました。
本田は、たしかにインターナショナルクラスです。日本には、それに匹敵するような選手はいます。でも、ワールドクラスが4人も5人もいるようなチームではありません。
そんな国と闘う現実的な選択をした「勇気」を、私は支持しました。
現実を無視して、攻撃的にパスを回して突っ込んでいってボールを取られて、失点する。たしかに、ノーガードの打ち合いをしたほうが、ゲームとして、見世物としては面白いでしょう。
でも、です。そうやって負けたときに、作家某はきっと罵声を浴びせるでしょう。負けたことに「何やってるんだ」と言うのでしょう。
自分が好きな「楽しいサッカー」をやってくれたのですから、感謝すべきです。なのに、負けたら文句を言うのだとすれば、それは卑怯です。
で、今回は作家某(仲良しの選手と「オレお前」の関係を誇示したがるスポーツライター某、オランダとバルサ命の動楽ライターなども)の意に添わぬ戦い方をしてきました。でも、結果としてグループリーグは突破。これは文句のつけようのない結果です。
ところが、うれしいじゃあーりませんか。ベスト16で負けてくれたんですよ。というわけで、悔しいとか言いながら、その実、後半は「ほれみろ」のトーンです。
彼我の戦力を分析して、そのなかで最善の結果を得るには、策をどうとればいいか。そして、それを敢然として実行する。これが「勇気」です。
作家某たちが主張していることは、「勇気」ではありません。
そうやって勇ましく「玉砕」した国がかつてありました。サッカーが「戦争」だというなら、そういう記憶力欠如の暴論は吐けないと思います。
戦争というのは総力戦です。彼我のすべてのものを比較検討して、それをもとに戦いを始めないといけないんですよ。そこんとこをよーく考えてみましょうね。

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