ワールドカップの蔭で

6月23日は何の日?
6月23日は、沖縄慰霊の日です。
この春は、普天間基地問題で揺れに揺れ、ついには内閣が替わりました。では、普天間問題は解決に向かうのかというと、依然として元のママ。
これは鳩山内閣の責任というよりも、すでに1972年の沖縄の本土復帰の時点から続く問題です。そして、それは1945年の沖縄戦と、その後の連合軍、というよりアメリカ軍の占領と日本の独立の時点から続く、とても長く根の深い問題です。
その責任はどこにあるのか。まず、吉田茂から佐藤栄作までの自由民主党政権の責任が大きいと言わざるをえません。しかしそれ以上に、その政権を選んできた私たち国民の責任はきわめて大きいと思います。しかも、沖縄のことを、本土に住んでいる私たちがどれだけ考えてきたのか。小指の先、その先の爪、そのまた先の爪のあかほども考えてこなかったことに、私は4月28日、5月15日、そしてこの6月23日がくるたびに心苦しくなるのです。
移転先をさぐるより撤去の期限を決めろ
普天間問題が語られるとき、いつも疑問に思っていたこと。
それは、「いつまでいるつもりなんだ」ということ。どこへ移転するにしろ、それは半永久的であるということが前提になっているからです。
いかに、日米安保体制や極東の安全保障が大事とはいっても、その基地の負担がなんで日本だけ、そしてその大部分が沖縄だけなのか。いや、いまいるのはしかたないが、いいかげんに出ていってくれとなぜ日本政府が言わないのか。住民は言ってますよ。
その理由は、沖縄の返還の密約と、それに付随する覚え書きにありました。
まず、日本は沖縄返還を是が非でも実現したい。そのため、(しばらくは)基地があることもやむをえない。でも、非核三原則があるから、核兵器は撤去してもらいたい。
そこに、アメリカはつけこみました。核兵器撤去は難しいことをタテにして、返還を渋ります。で、ギリギリのところで妥協してやることで恩を売ります。ただし、「密約」でもって、再持ち込みを可能にしたのです。
さらに、その蔭でこっそりと、沖縄の無期限の基地使用を覚え書きという形で、盛り込んだのです。
要するに、中央突破をちらつかせて左サイドをがら空きにさせ、その隙にオフサイドポジションであるにもかかわらずゴールを決めて知らんぷりという作戦だったのです。

オランダ対日本のゲームの裏番組?
この沖縄返還と核兵器再持ち込みの密約交渉に関わった、若泉敬氏のドキュメンタリーがNHKスペシャルとして放送されました。
沖縄の人々のために、返還をなんとしても早く実現したい。そのためなら密約もやむをえない。それは佐藤栄作総理大臣も知っていたのです。そして、沖縄の返還は実現しました。
しかし、その蔭に沖縄の基地の無期限使用を認める覚え書きがあったことを、若泉氏は20年後の1992年に知ります。
沖縄の基地負担については、返還交渉締結時に日本政府が「負担を少しずつ減らしていくようにする」と述べたにもかかわらず、実体はまったく逆だったことを知り、若泉氏は愕然とします。そして、密約を明らかにする本を出しました。しかし、政府はこれを黙殺しました。
さらに、1995年、12歳の女の子が海兵隊員に拉致・暴行されるという事件が起きます。基地負担軽減されずにきたこと、それに付随する地位協定の不備が生んだ犯罪です。
沖縄の抗議行動に対して、政府は何をしたでしょう。「申し入れ」をしただけでした。地位協定の見直しも、基地撤去への動きもなし。
翌年、若泉氏は自ら命を絶ちました。
この番組が放送されたのは6月19日午後9時。ワールドカップの日本対オランダの後半開始とほぼ同時刻です。
なぜ、この日に放送したのでしょう。6月23日、「ためして」を休んででも、この日にすべきだったのではないでしょうか。それがムリなら、6月20日の9時でも、選択肢はあったはずです。
まさか、どここかから圧力がかかって、わざと見る人が少ないと見込まれる日にしたのではないでしょうね。
とにかく、ワールドカップというのは、世界中の人が見ています。世界が「それなりに」平和であることの証左であるのかもしれません。
でも、私はワールドカップが始まると、いつも新聞の国際面を読む習慣が付いています。戦争・紛争、内戦、テロ、虐殺に暴力に差別……。いつも世界は平和ではありません。
ワールドカップを楽しみながら、その蔭で起きていることを忘れてはならない、頭のどこかに必ず置いておきたいと思うからです。
私は、『密使 若泉敬 沖縄返還の代償』を、録画して、オランダ戦の後で見ました。

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